Six day
淡いブルーグレーの毛布にくるまってLが眠っている。
枕など始めから邪魔なオブジェ扱い。頭のむこうに押しやって、その下のシーツに黒髪のあたまを置いて手足をぎゅっと丸めて眠っている。
呼吸のたびに上下する、毛布からのぞいている骨張った肩から首筋にかけて、いくつかの鬱血を見ることができる。ベッドの上だ。
まだ日は高い。
窓外から自然光が豊かに入り込んでいる。
午後のことだった。
捜査に追われて普段はほとんど眠らないLも、セックスの後だけは僅かな間を微睡む。
快楽に溶けた身体をベッドによこたえ、自分勝手に丸くなって眠る。
僕はそんなLを、愛玩動物かなにかを見守るような気持ちで眺める。
「あらゆる快楽のあとにまだ
眠るという快楽がひかえている」
きっと僕が彼に与えられる快楽はちっぽけなものだ。
けれどそこから僅かな間であれ、彼が容易に得られない快楽を導き出すことができるとしたら、僕はとても大威張りの気持ちになる。
そうして僕自身の行為をこれ幸いと正当化し、Lの隣に寝そべってぐうたらと、おなじ快楽を味わったりもするだろう。
日の高い午後に。
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